問いを立てる

 よく学生に「勝て!」と言います。一体、何に勝つのかわかりませんが(笑)。
 そんな中、こんな本を発見。

勝つための論文の書き方 (文春新書)

勝つための論文の書き方 (文春新書)

おほほほほ。好きです、こういうタイトル。
筆者は、共立女子大のフランス文学かなんかの先生かな?かつての文学部は、小説家予備軍みたいな、一種の小説オタクみたいな学生がいたそうですが、現在は、フランス語の勉強のために、といった学生が多く、「小説?一冊も読んだことがありません」という学生の方が多いそうな。
 いや、どっちがいいというわけではありませんけどね。
 さて、そういうどこから手をつければいいのかわからない学生さんに、卒業論文なるものを執筆させてきた経験から得られた、彼なりの論文技法を紹介したものですが、通常の卒論スキル本とは、1枚も2枚も違った切り口でなかなか面白いです。
 これから文献検索をしよう、とか考えている3年生は、一度目を通しておくといいですよ。
 私もまだ冒頭しか読んでいませんが、「良い問いを立てる」、という部分は、ためになります。
 ちなみに、文系の話ですが、理系でも構造は同じですから。いや、むしろ、文系でも卒論には、論理性がいるんだとちょっと新鮮でした。
 ちなみにちなみに、きのこやの学部(文学部です)の卒論は「乳幼児の自我について」というものでしたが、これ、もうタイトルからしてダメダメですね(笑)。内容はもっとダメダメで、精神分析理論(対象関係論、自我心理学あたり)の自我発達の考え方を時系列に並べただけで、そこには何の考察も、新機軸もありませんでした。
 当時、こういう本を読んでいたら、もっと良い卒論書けたのになぁ。卒業から20年経って、後悔先に立たずです。
 これから卒論を書く人は、私のような失敗を繰り返さないように(笑)。