2009年度3年生文献検索セミナー

 我ながら大げさなタイトルだw。
 数年前からでしょうか?新しく入ってきた学生さんに文献検索の入り口の話をしています。本日、「する」「しない」だの二転三転する周りの情報に踊らされながらw、結局、3年生の授業が終わった6時過ぎから開始。
 昨年からだっけかなパソコン室でやり始めたのは。たしか一昨年までは、個別に研究室でおこなっていたのですが、パソコン室の方が一度にできて楽しいですね。
 一通りの説明を終えたところで、本年は「新機軸!」(って、これまた大袈裟だねw)、検索体験をその場の思いつきでやってもらいました。要するに、自分の卒業研究に関係する文献を試しに検索してみるということですが・・・。
 思いつきとは言え、そこで私が狙ったことは以下の2点です。

 1.単純な検索ワード(たとえば、自分の研究するきのこ名)で出てくる膨大な文献から、どうやって絞り込んでいくのかを体験する。
 2.同じ手順で複数のデータベースを検索し、データベースの違いを実感してもらう。

 ということです。
 成功したかどうかはわかりませんが(いや、きのこ名によっては、膨大に出ないし…)、その一端でも掴んでくれれば、後は実際の課題に直面した時に、それぞれの人が自分なりの習得をしていくものと思っています。

 今日のセミナーをまとめるとこういうことです。

 1.何はなくとも、まずJ−Dream、家ではタバコ(お菓子?)片手にGoogle Scholar、医中誌で学会発表も気にしつつ、やっぱり最後は、Pubmedで決まり!
 2.的を絞ろう“”(ちょんちょん)で!結果はなんとか一ケタに。
 3.いつかは読みたい、英語の論文(てか、最後は逃げられないよw)
 4. ちょっとまて!教科書と基本文献はちゃんと読んでおいてからね。(そうしないと、検索ワードさえ思いつかないよ)

 そういえば、検索している人で、「活性」という検索ワードを使っている人がいましたね。指摘し忘れたけど、活性はいただけませんねw。曖昧すぎます、あまりにも。まぁ、きのこの場合、最初にきのこの名前を入れた段階で、すでに文献量が少ないからあまり問題になりませんが、何の活性なのか?とターゲットを絞った方がいいです。
 例えば、高血圧とか、脂質代謝とかね。
 実は、これでも大きすぎます。さらに、小さく、ACE阻害(活性)とかね。HMG-CoA阻害(活性)とかね。これらの検索ワードを思いつくには、生化学とか薬理学の教科書を読んで、それぞれの疾患の分子レベルでの発症機序を知っていないと思いつきません。
 そういうわけで、「ちょっとまて!教科書と基本文献はちゃんと読んでおいてからね。」なわけです。

 閑話休題。そういえば、最近、私が読んでいる本、ご紹介しておきましょう。

ブルーバックスは、高校生でもわかる書き方で難しい科学の世界を説明した本が多いので、本屋に行ったときに棚を眺めることをお勧めします。いや、眺めるだけではなくて、気になった本は買って読みましょうね。
 ご承知のように(ご存じないか?w)、私は高校は私立文系コース(要するに落ちこぼれw、)で理科は、地学と生物しか授業で習っていません。大学は、文学部と、これまた薬学も、栄養学も、生化学とも無縁な大学生活でした。
 ええ、生まれてこの方45年、化学を習ったことがなぁ〜い!ベンゼン環?それは食べられるの?ぐらいの知識です。そんな私には、こんな本でも十分なのです。いや、読んでみればわかりますが、結構深いですよ。恐らく、3年生の知識では(いや、院生も一度手にとってみなはれ)知らないことのオンパレードでしょう。

 あー、また横道に逸れた。文献検索です。てなわけで(どういうわけだ?)、みなさん文献検索頑張ってください。文献検索は、あくまでも卒業論文を書くために必要な知識を得るツールですので、決して文献検索だけで、満足しないように。てか、そこに時間を取られすぎないように、くれぐれもご注意ください。

 本日は、おまけとして、引用文献の書式(形式)の話(バンクーバースタイル、木材学会誌の形式、食糧誌の形式)などをさらっとやりまして(説明不足が多かった)、アトラクションとして、「第1回!チキチキ、タイピング選手権」などで和みつつ、あっという間に2時間が終了しました。

 3年生のみなさん、お疲れ様でした。

 ホントは、文献検索、管理の話は意外と奥が深くて、1年通しの授業も可能なぐらいネタがあるのですが、何か質問があれば、ブログ、あるいは、メッセで遠慮なくお尋ねください。

 なお、私のこのブログの右のサイドバーにあるカテゴリーの、文献検索をぽちっと押すと、過去に文献検索のカテゴリーで書いたブログが読めますので、こちらも合わせてお楽しみください。

 ではでは。